1 名前:Egg ★:2018/04/19(木) 18:14:22.48 ID:CAP_USER9.net

ヴァイッド・ハリルホジッチとは、何者だったのか? 

 ワールドカップ前に解任が決定したわけだが、このボスニア系フランス人指揮官の日本代表監督としての功績は、しっかりと記すべきだろう。

 まず、日本をロシアワールドカップ出場に導いた。これだけでも、一つの大きな結果を叩き出したと言える。アジア予選は移動が長く、環境の変化も厳しく、予選を勝ち抜くのは簡単ではない。これはプレーレベルとは別の問題で、タフな戦いを乗り越える必要があるのだ。

 ハリルホジッチは様々な批判を受けながらも、予選を勝ち上がった。にもかかわらず、解任されたのはなぜなのか? 指揮官の成功と失敗を検証することで、その答えも見えてくるはずだ。

戦術は成熟していた

 結果以外でハリルホジッチが日本サッカーにもたらしたのは、今までの価値観の否定だった。

 「縦に速いサッカー」

 「デュエル」

 二つの柱にしたスローガンは、これまでポゼッションを重視し、ボールを支配することを追求してきた日本サッカーへの刺激になった。

 一度スクラップし、建て直す。新体制には、そんな決意すら漲っていた。

 2014年のブラジルワールドカップにおいて、日本人選手たちはポゼッションの陶酔に浸ってしまった。その結果、得点する(もしくは得点させない)という目的でなく、その手段を優先した。

 「自分たちらしさ」という表現で、ボールゲームにこだわりすぎ、目を覆う惨敗を喫したのだ。

 ハリルホジッチは断然、目的を重んじた。

 「ボールを持っているときの方が、それを失うことで失点する可能性が高い」

 「相手が準備できない間に、速い攻撃で得点の可能性を上げる」

 そのコンセプトに立って、「縦に速いサッカー」という戦略を動かすため、まずはデュエルという局面の戦術を徹底した。

 それはサッカーの基本だったが、「日本人はプレー強度が足りない」と言われてきた弱点で、新指揮官はそこに向き合った。一つの方向性としては正しかったと言える。

 「Jリーグでのプレーは強度が低い。世界に出て通用するか? そのイメージを持つように」

 あのアルベルト・ザッケローニ監督も、スカウティングスタッフにそう指示していた。欧州的視点で見たら、Jリーグのプレー強度のままでは世界では通用しない。それが現実だった。

 ハリルホジッチはデュエルを高める要素として、体脂肪率やスプリント数や走行距離を積極的に取り上げるようになった。データ管理主義。それに辟易する声は選手から出たが、その時点では深刻な問題には至っていない。

 指揮官はJリーグを軽視する発言もしばしばしたものの、欧州リーグのプレーと比べたらタフさの点で違いは明らかで、嫌われながらも正当性を失っていなかった。

 戦術は熟成を見せていた。一昨年10月のオーストラリア戦、11月のサウジアラビア戦は、戦術レベルの高いゲームだった。

つづく

写真
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4/19(木) 13:00配信 東京スポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180419-00055304-gendaibiz-bus_all
2 名前:Egg ★:2018/04/19(木) 18:15:11.70 ID:CAP_USER9.net

集大成となったオーストラリア戦

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とりわけ、オーストラリア戦前半は戦術的にほぼパーフェクト。プレッシング&リトリートという守備戦術を完璧にやり遂げていた。

 本田圭佑を1トップに、相手のセンターバックを分断。原口元気、小林悠がサイドバックの出口に蓋をし、アンカーを香川真司が封鎖した。パスをつながせず、長いボールを蹴らせ、攻撃を成立させなかった。

 攻め込まれると、中盤の長谷部誠がライン全体をコントロール。リトリートという守備ラインを分厚くした撤退戦術で跳ね返した。

 そして焦ってつないできた相手のパスを中盤で奪い、すかさず縦にボールを入れ、素早く左サイドに展開、原口が決定機を得ている。狙い通りのカウンターだった。この戦いを続けていれば・・・というところまで来ていた。

 ところが、その後のハリルホジッチは迷走したのだ。

 オーストラリア、サウジアラビア戦が頂点だった。昨年に入ると、ハリルJAPANは戦術的機能を失っている。

 その理由としては、一つには戦術を実際に動かしていた主将・長谷部がケガで戦列を離れる機会が多く、合流しても完調には程遠かった点が挙げられるだろう。

 長谷部はポジションを補完するセンスに優れ、彼の動きや指示によって選手同士の距離感や角度は適性に保たれていた。その不在によって守備の安定が致命的に崩れ、攻撃にパワーが使えなくなった。

 また、指揮官は本田、香川、岡崎慎司のような主力選手と距離を置くようになっている。一方、井手口陽介、浅野拓磨、宇佐美貴史、杉本健勇などお気に入りの選手を登用。新しい血を入れようとした。

 しかし抜擢した選手たちは、これまでの主力を越える働きを見せられなかった。

 ハリルホジッチが提唱した戦い方は、完全に宙に浮いた。

 予選も終盤はイラクに勝ちきれず、サウジアラビアに敗れた。その後も弱小ハイチに引き分け、ブラジル、ベルギーには子ども扱いされている。年末には韓国に、1-4と屈辱的な負け方をした。

 選手がハリル流に拒否反応を見せるようになった。

つづく
7 名前:Egg ★:2018/04/19(木) 18:16:58.84 ID:CAP_USER9.net

「日本人らしさ」との葛藤

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ハリルホジッチが気の毒だった一面はある。トップダウンのリーダーシップが受け入れられず、孤立した。言い換えれば、「提示した戦術を運用できる選手が乏しかった」とも言える。

 しかしハリルホジッチは一国の代表監督として、「日本人らしさ」を引き出す手腕を欠いていた。

 日本人サッカー選手はコンタクトプレーが強くないし、戦術的柔軟性も低い。しかしおしなべて技術が高く(例えば両足で蹴れて)、敏捷性、持久力にも秀でる。それがポゼッションでアドバンテージになった。

 また、追い込まれた状況での反発力も高い。06年W杯、2014年W杯も、敗退一歩手前でブラジル、コロンビアという強豪と相対したときも、貴重なゴールで一時にせよ肉迫している。士気の高揚によって、思いもよらぬ力を出すところがあるのだ。

 ただ、ハリルホジッチは、日本人のそうした技術の追求や非論理的な団結や闘争心に、少しも評価を与えなかった。

今は前を向くしかない

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昨年12月に行われた「E-1選手権」での乖離は、決定打になっている。

 「つなぐな、とにかく蹴れ!」

 ハリルホジッチはそう指令したという。相手の中国、北朝鮮、韓国は技術的に低いものの体格的に優れ、走力や高さに利点がある。日本の選手に、「自分たちの強さを捨て、弱さを拾い、土俵を下りて戦え」と命令したに等しい。そして一敗地にまみれた。今年3月の欧州遠征でも同じことが起きてしまった。

 日本人の良さを引き出し、勝利に導くのが代表監督の仕事のはずだ。

 もしハリルホジッチが協会の全面的サポートを受けていたら、監督を続けていただろう。彼が怒るのは当然。解任理由として、ハリルホジッチ自身が語っているように、「スポンサーや金」という政治的背景が引き金を引いた部分もあるかもしれない。

 その点、協会の示した後任人事には、不安が残る。

 西野朗氏は監督畑の人物で、技術委員長としては素人だった。そのことがサポートすべき監督を苛立たせ、解任のタイミングを遅らせ、この期に及んでの解任騒動につながっている。

 打つ手なく、自らが監督になりかわったに過ぎない。その点、新技術委員長に就任した関塚隆氏も監督業の人。技術委員長としては素人同然である。同じことが繰り返されるのだろうか――。問題の所在は明らかだ。

 しかしその場凌ぎと言われようとも、今はワールドカップに向け、一枚岩になるしかない。

 「ハリルホジッチの目論見が成功だったか、失敗だったか、それを検証する機会がなくなった」という意見がある。だが、ワールドカップにおける代表は勝てば官軍、負ければ賊軍。総括するために存在する大会ではない。

 ハリルホジッチは被害者かもしれないが、彼自身も道を失っていた。今年3月の欧州遠征で、乾貴士(スペイン・エイバル)をメンバー外にするなど、要らぬ批判を煽った。好みの選手を選ぶ傾向が強く、クラブで結果を残している選手に対する序列は崩壊していた。

 そうして四方を敵に回して挑んだ最近の試合内容は、最悪に近かった。いまは協会批判とハリルホジッチ擁護が一緒くたになっているが、解任されたことそのものには、それなりの理由があったことも事実なのだ。

小宮 良之
引用元: http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1524129262
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