1 名前:Egg ★:2018/04/18(水) 08:42:15.09 ID:CAP_USER9.net

<W杯メンバー選考の真相(2)>

 「外れるのはカズ、三浦カズ」

 ワールドカップ(W杯)メンバー選考を語る上で、このフレーズは、20年たった今もサッカーファンの脳裏から離れない。98年フランス大会前。岡田武史監督が、FW三浦知良(カズ)を外すと最終決断したのは、6月2日の発表当日の午前3時すぎだった。

 合宿地のスイス・ニヨンの宿舎ホテル。岡田監督は、同1日午後11時ごろ1階ロビーにコーチ陣を集めた。小野剛コーチ、フラビオ・フィジカルコーチ、マリオGKコーチ。最大の焦点はGKを2人にするか、3人にするか。現在のW杯登録メンバーは23人だが、当時は22人。マリオ・コーチは「絶対GKは3人にすべき」と主張した。1次リーグ初戦の相手は優勝候補のアルゼンチン。パワーと個人技で最終ラインを突破される可能性がある。GKが無理して防ごうとすると、一発退場もありうる。出場停止は残る2戦に響く。GKが負傷することも心配した。

 1時間に及んだ会議で、GKを3人にすると決めた。その後、岡田監督は自分の部屋に小野コーチを呼び、3時間以上話し込んだ。GKを3人にする以上、フィールドプレーヤー1人を外さないといけない。あらゆる場面をシミュレーションした。逃げ切る時は? 退場者が出た時は? 相手が守った時は? 誰を外すかではなく、誰が必要かを話し込んだ。

 2人の話題がカズに及んだ。岡田監督は「あの経験はチームが苦しい場面で、絶対に役立つ」と言った。小野コーチがうなずく。守り主体になるが、攻撃オプションは捨てられない。FWの枚数は削りたくない。カズ、中山雅史、呂比須ワグナー、岡野雅行、城彰二の5人。「平野孝はMFだが、FWとしても使える」との話が出た。そして深夜3時。発表9時間前に岡田監督は「最後はオレが決める」と言って、小野コーチを帰した。もし今のように、W杯が23人のエントリーなら、カズの夢は実現したかもしれない。睡眠もそこそこに朝食を済ませ、岡田監督はカズ、北沢豪、市川大祐をそれぞれ部屋に呼んで、落選を伝えた。

 落選後、カズと北沢は代表宿舎から離れた。日本協会スタッフが希望の行き先を尋ねると、カズは「ミラノ」と答えた。飛行機移動なら空港でメディアに囲まれるかもしれない。車を手配しようとすると、宿舎ホテルのオーナーが「オレのベンツを使え」と車の鍵を差し出した。

 フランス語の通訳がグレーのワンボックスカーを運転し、助手席には代表スタッフ、後部座席右にカズ、左に北沢が座った。ニヨンから隣国イタリアのミラノまでの4時間。北沢は一言も発さず下を向き、カズも無口だった。

 ミラノ市内に入ると、カズは吹っ切れたように道案内を始めた。当時はカーナビゲーションがなかったが、セリエAジェノアでプレーしたこともあり、ミラノの街を知るカズは「次右、2つ目の信号左」と、予約したホテルまでの道を丁寧に伝えた。

 落選から一晩が過ぎ、ミラノのホテルには、日本からのメディアが2社駆けつけた。落選をどう受け止めているかと聞かれ「今は何にも言いたくないんだよ。なあ? キーちゃん?」と隣にいた北沢に同意を求めた。いつもは自信に満ちあふれる表情で受け答えするカズが、そう漏らした。そして「代表の誇り、魂は置いてきた」と帰国の途についた。

4/18(水) 7:46配信 日刊スポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180418-00182681-nksports-socc

写真https://amd.c.yimg.jp/amd/20180418-00182681-nksports-000-4-view.jpg

引用元: http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1524008535
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